柴 8 淡海は大き日溜り翁の日
柴 1 火の山の鎮めの神よ還りませ
2 神還る浅間の煙みださずに
3 冬迎ふ鼻筋のよき仏見て
三にして眉根に意思を七五三祝
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伊藤伊那男
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1 嬬恋の無人駅裏帰り花
伊 冬 冬はじめ手のしで仕舞ふ洗い物
伊 目には見へねど神戻る音すなり
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柴山つぐ子
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伊 柴 2 しぐれ忌やしぐれのしの字太く引く
伊 3 箒目の筋の律義さ神迎
御神火の鎮もりたまふ今朝の冬
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武田 禪次
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1 神迎巫女は緋袴きりきりと
1 帰り花京の高見に会津基地
4 帰りには子も荷となりぬ七五三祝
4 望郷の欠片が胸に冬立つ日
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谷口いづみ
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2 をのこらは不機嫌顔の七五三
1 よく見ゆる浅間の雄姿今朝の冬
1 芭蕉忌や翁の齢疾うに越え
1 帰り花最初の句座の土地に来て
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伊藤 政三
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伊 柴 5 神還る浅間の煙みださずに
柴 2 子に付ける母の口紅七五三
2 佐千夫墓の野に蒲公英の帰り花
2 芭蕉忌のたはむれに持つ父の杖
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小野寺清人
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1 夜もすがら社赤々神迎
3 薄墨の山に紅さす帰り花
1 時雨忌や急ぐ木曾路の月蒼し
伊 1 惜しげも無く見せる浅間や今朝の冬
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大野田井蛙
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3 芭蕉忌を日がな歩きてしまひけり
1 彫し出して香る木仏冬に入る
2 燗をせぬ酒をまはして神迎
1 日溜りに母の友がき返り花
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戸矢 一斗
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伊 柴 3玉砂利の音の澄み行く神迎
伊 綿虫や嬬恋はどの畑からも
1 儚きといふ言の葉や返り花
1 腕白のすり傷隠し七五三
1 蕉翁の旅の北限帰り花
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松代 展枝
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柴 神迎堂に供える酒と米
1 立冬やこれから先は密やかに
2 硝子窓ふき立冬の陽を仰ぐ
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小林 好子
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3 時雨忌や怒濤岩かむ親不知
6 愚痴一つ犬にこぼして今朝の冬
2 紅差しておちよぼ口なり七五三
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佐藤 栄子
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1 穏やかな日差しを誘ふ七五三
1 立冬の雨を鳴き合ふ烏かな
柴 雨一夜たつき道の返り花
柴 4 踏み入りし山の匂ひや冬来る
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山﨑ちづ子
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2 丸き背に窓辺の冬日貰ひけり
1 かまど神へ失せ物尋ぬ神の留守
5 僧正の菊誉めらるるたび合掌
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岡田 久男
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柴 駆け引きも計算もなし神迎
伊 結ひ上げしほつれも細く七五三
柴 青空に白球消ゆる子規忌かな
1 好きは好き嫌ひは嫌ひ獺祭忌
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北川 京子
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1 冬まじか暖を取りつつ紅葉狩り
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木下 誠司
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1七五三山門くぐる鳩のゐて
1 開拓の里の宴や冬立ちぬ
2 神迎え今日の終りの地酒かな
柴1 帰り花浅間の風にすぐ散れり
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黒岩伊知朗
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1 命日の御膳は好物栗おこわ
2 雲ひとつなき四阿山に神迎ふ
1 秋うらら夢見る稚は腕の中
伊 村やしろ樟脳の香や七五三
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黒岩 清子
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1 寒立馬長き睫や北の果
1 七五三着せられしままや写真館
伊 1 表札の色褪せてをり帰り花
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佐々木終吉
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伊 笹原のこぼるる光冬に入る
2 神妙に受くるご祈祷七五三
伊 一枚の頁繰る如冬に入る
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佐藤かずえ
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1 山に富士そびえ立つ冬はじめ
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佐藤さゆり
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1 ウス寒さ肌に感じつ紅葉狩り
1 風の音に合せひらひら散る落葉
1 荒れ地の棚田に咲ける菊一りん
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佐藤洋一郎
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1 立冬や三国連峰眺め良し
2 芭蕉忌に芭蕉の軌跡学ぶなり
2 星空や立冬の頃澄み渡る
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白石 欽二
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1 返り花きらりと光り輝けり
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武井 康弘
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柴1 着飾りて引きずり歩く千歳飴
1 黄金に光る川波神還る
る詫び入れて帰る庭先帰り花
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山﨑 伸次
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1 天明の発掘調査期待する
伊 浅間嶺三度の雪でふもとにも
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山﨑 章一
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2 天窓の億光年や星月夜
伊 アルバムのセピア色した七五三
1 風吹かば木の葉時雨の日曜日
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横沢 宇内
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【高得点句】
九点句
淡海は大き日溜り翁の日
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伊藤伊那男
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七点句
神還る浅間の煙みださずに
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小野寺清人 |
六点句
愚痴ひとつ犬にこぼして今朝の冬
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佐藤 栄子
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五点句
三にして眉根に意思を七五三祝
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伊藤伊那男
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僧正の菊誉めらるるたび合掌
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岡田 久雄
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玉砂利の音の澄み行く神迎
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松代 展枝 |
踏み入りし山の匂ひや冬来る
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山﨑ちづ子
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四点句
しぐれ忌やしぐれのしの字太く引く
箒目の筋の律義さ神迎
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武田 禪次
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帰りには子も荷となりぬ七五三祝 望郷の欠片が胸に冬立つ日
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谷口いづみ
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三点句
冬迎ふ鼻筋のよき仏見て
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伊藤伊那男
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子に付ける母の口紅七五三
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小野寺清人
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薄墨の山に紅さす帰り花
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大野田井蛙
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芭蕉忌を日がな歩きてしまひけり
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戸矢 一斗
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時雨忌や怒濤岩かむ親不知
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佐藤 栄子
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