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2021年 第203/204回 北軽井沢句会 戻る


第203/204回北軽井沢句会  (2021年)

 第203/204回銀漢北軽井沢句会会報

  令和3年11月10/11日
   
    北軽井沢句会二百回記念俳句大会
  令和三年十一月十日(水)
  ホテル軽井沢1130 
  投句者数:26名
お題:「神迎」「帰り花」「七五三」「芭蕉忌」
「立冬」の五句出
  主宰選・柴山選は任意・他七句選



photo by  Udai  2021/11/10   撮影




photo by  Udai  2021/11/23   撮影



photo by  Udai  2021/11/26   撮影



   photo by  Udai  2021/11/28 10㎝積雪   撮影
    


柴   8 淡海は大き日溜り翁の日
柴   1 火の山の鎮めの神よ還りませ
    2 神還る浅間の煙みださずに
    3 冬迎ふ鼻筋のよき仏見て
      三にして眉根に意思を七五三祝





伊藤伊那男

    1 嬬恋の無人駅裏帰り花
伊 冬   冬はじめ手のしで仕舞ふ洗い物
伊     目には見へねど神戻る音すなり






柴山つぐ子

伊 柴  2 しぐれ忌やしぐれのしの字太く引く
伊    3 箒目の筋の律義さ神迎
       御神火の鎮もりたまふ今朝の冬



 武田 禪次

      1  神迎巫女は緋袴きりきりと
      1 帰り花京の高見に会津基地
      4 帰りには子も荷となりぬ七五三祝
      4 望郷の欠片が胸に冬立つ日 


谷口いづみ
        2 をのこらは不機嫌顔の七五三
      1 よく見ゆる浅間の雄姿今朝の冬
      1 芭蕉忌や翁の齢疾うに越え
      1 帰り花最初の句座の土地に来て 





伊藤 政三
伊 柴  5 神還る浅間の煙みださずに
柴    2 子に付ける母の口紅七五三
      2 佐千夫墓の野に蒲公英の帰り花
      2 芭蕉忌のたはむれに持つ父の杖 




 
小野寺清人 

      1 夜もすがら社赤々神迎
      3 薄墨の山に紅さす帰り花
      1 時雨忌や急ぐ木曾路の月蒼し
伊     1 惜しげも無く見せる浅間や今朝の冬





大野田井蛙 
 
      3 芭蕉忌を日がな歩きてしまひけり
      1 彫し出して香る木仏冬に入る
      2 燗をせぬ酒をまはして神迎
      1 日溜りに母の友がき返り花 




 
戸矢 一斗
伊 柴  3玉砂利の音の澄み行く神迎
伊     綿虫や嬬恋はどの畑からも
      1 儚きといふ言の葉や返り花
      1 腕白のすり傷隠し七五三
      1 蕉翁の旅の北限帰り花








松代 展枝 
柴    神迎堂に供える酒と米
  1 立冬やこれから先は密やかに
   2 硝子窓ふき立冬の陽を仰ぐ






小林 好子 
3 時雨忌や怒濤岩かむ親不知
6 愚痴一つ犬にこぼして今朝の冬
2 紅差しておちよぼ口なり七五三 




 佐藤 栄子
 1 穏やかな日差しを誘ふ七五三
  1 立冬の雨を鳴き合ふ烏かな
柴    雨一夜たつき道の返り花
柴 4 踏み入りし山の匂ひや冬来る 




 
山﨑ちづ子
 丸き背に窓辺の冬日貰ひけり
1 かまど神へ失せ物尋ぬ神の留守
5 僧正の菊誉めらるるたび合掌





岡田 久男
柴  駆け引きも計算もなし神迎
伊 結ひ上げしほつれも細く七五三
柴 青空に白球消ゆる子規忌かな
 1 好きは好き嫌ひは嫌ひ獺祭忌




北川 京子 
 
1 冬まじか暖を取りつつ紅葉狩り







 木下 誠司

 
1七五三山門くぐる鳩のゐて
  1 開拓の里の宴や冬立ちぬ
 2 神迎え今日の終りの地酒かな
柴1 帰り花浅間の風にすぐ散れり




黒岩伊知朗
  1 命日の御膳は好物栗おこわ
 2 雲ひとつなき四阿山に神迎ふ
  1 秋うらら夢見る稚は腕の中
伊   村やしろ樟脳の香や七五三 
     




黒岩 清子

1 寒立馬長き睫や北の果
1 七五三着せられしままや写真館
伊  1 表札の色褪せてをり帰り花







 佐々木終吉
伊   笹原のこぼるる光冬に入る
  2  神妙に受くるご祈祷七五三
伊   一枚の頁繰る如冬に入る



 
佐藤かずえ
1 山に富士そびえ立つ冬はじめ





 
 佐藤さゆり
1  ウス寒さ肌に感じつ紅葉狩り
1 風の音に合せひらひら散る落葉
1 荒れ地の棚田に咲ける菊一りん

 
     
佐藤洋一郎
1  立冬や三国連峰眺め良し
2  芭蕉忌に芭蕉の軌跡学ぶなり
  2  星空や立冬の頃澄み渡る






 白石 欽二
1 返り花きらりと光り輝けり





武井 康弘

 柴1 着飾りて引きずり歩く千歳飴
  1 黄金に光る川波神還る
   る詫び入れて帰る庭先帰り花





山﨑 伸次
 
  1 天明の発掘調査期待する
伊  浅間嶺三度の雪でふもとにも






 山﨑 章一
 2 天窓の億光年や星月夜
伊 アルバムのセピア色した七五三
1 風吹かば木の葉時雨の日曜日




 横沢 宇内 
【高得点句】

九点句
  淡海は大き日溜り翁の日
 




伊藤伊那男
 
 七点句
  神還る浅間の煙みださずに



  小野寺清人
 六点句                
  愚痴ひとつ犬にこぼして今朝の冬





 佐藤 栄子
 五点句
 三にして眉根に意思を七五三祝






伊藤伊那男
 
 僧正の菊誉めらるるたび合掌






 岡田 久雄
 玉砂利の音の澄み行く神迎





  松代 展枝
踏み入りし山の匂ひや冬来る




 
山﨑ちづ子
 
 四点句                
  しぐれ忌やしぐれのしの字太く引く
  箒目の筋の律義さ神迎   



武田 禪次
 
 帰りには子も荷となりぬ七五三祝
  望郷の欠片が胸に冬立つ日






  谷口いづみ
 三点句
 冬迎ふ鼻筋のよき仏見て




 伊藤伊那男
 子に付ける母の口紅七五三



 小野寺清人
薄墨の山に紅さす帰り花 






 大野田井蛙
 芭蕉忌を日がな歩きてしまひけり





 戸矢 一斗
 時雨忌や怒濤岩かむ親不知





佐藤 栄子 
 


高得点句の皆様には、主宰から色紙等が贈呈されました。
                        (記録:大野田井蛙







第二百回記念吟行 北軽井沢句会々報 

令和三年十一月十一日(木) 柴山つぐ子邸
     五句出六句選(うち特選1)
参加者 :伊藤伊那男、柴山つぐ子、大野田井蛙、小野寺清人、北川京子、黒岩伊知朗、
武井康弘、谷口いづみ、戸矢一斗
事前投句:武田禪次、伊藤政三、白石欣司
選句結果:太文字は特選句

斗 1色鳥来かならず止まる枝ありて
京 1  千切れるといふ散り方の冬紅葉
   2   今朝の冬溶岩囲ひなる浅間の湯
   2   水底の浅くて鳰のすぐ浮かぶ
   1   嬬恋は唐松落葉の針山に





   伊藤伊那男

伊 3  遠山もこちらの山も冬紅葉
清 1  枯菊の花の先のみ色づける
黒 1  寝観音けふ晴れやかに眠り初む
 
 



  柴山つぐ子
伊     溶岩原の鳥居を潜る寒さかな
伊  1  眠る山起こさぬやうに溶岩の径
い  1  踏み入れば泉下の村の冬日和
   3  枯木立途切れ北軽開拓史
   1  龍のごと巻きつく雲や冬浅間



   武田 禪次
伊    茅葺の観音堂や冬ぬくし
    1  淡く濃く上り下りの紅葉道
    1  冬耕の関東ロームくろぐろと






  伊藤 政三
伊井 1 冬日没りたれば浅間の寝観音
伊     冬晴の支点の浅間暮れ初むる
    4 渓谷を紅葉蓋してをりにけり
    1 ぶちまけた後のしづけさほ朴落葉




 
  小野寺清人
 伊    ほほかむりして守る堂鐘の音
    1 枯芝に帰りそびれし烏かな






   北川 京子
1  地を去りし人々想ふ冬のダム



 
  白石 欣司
1  紅葉散るミスト噴出八ッ場ダム
1  鹿飛橋下を見下す吾妻郷








  武井康弘
1  からまつは半ば裸木浅間在る
つ  つゆけしや天明とある石仏





  谷口いづみ
伊 3  地虫鳴く土石ながれの十五段
伊 1  泥海の跡の集落実南天
   3  放水の虹を大きく小春空




  戸矢 一斗 

 



 北軽井沢句会200回記念俳句大会

待っていた小春日の11月10日。


△軽井沢ホテル1130。

伊那男先生はじめ俳句仲間の方々、新幹線を乗りついで会場である「軽井沢ホテル1130」にバスで午後15時10分到着。温かな交流北軽井沢200回記念句文集祝賀会というこの日。



記念俳句大会が始まる緊張が次第にほどけてくる先生のお人柄だ。
優秀作品には先生直筆の色紙を頂く。

先生から銀漢北軽井沢句会の生い立ちなど伺う。つぐ子から伊那男先生との縁を語るなど。司会はちづ子さん。
ビュフェスタイルの夕食会。乾杯は宇内さん。大いに飲んで食べて頂く。閉会の辞は井蛙さん。

カラオケが用意されていて幹事の伊知朗さん有志の参加あり唄って踊って心の憂さを晴しました。前回おいでの時に清人さんのお気入り、一斗さんカラオケデビューの席、楽しい夜をご一緒しました。(2021/11/27 つ)





△祝賀会翌吟行
9時半ホテルフロント集合。日本のポンペイ鎌原観音堂、八ッ場ダムへと行く。この日も小春の日であった鎌原村の悲惨な歴史を訪ねる。資料館前の高台には有名な「葛咲くや嬬恋村の字いくつ」のは波郷の碑があった。脱衣姿や閻魔堂などを拝した。



残る紅葉の美しさに身をゆだねながらダムに行く。放流で出来た虹は素晴らしいかった全て広大だった。
評判のうどん屋で昼を頂いたもてなし上手、外に出て枇杷の花が寒さの中に匂っていた。
帰り道開拓池に寄る。白鳥の来る池。かいつぶりと鴨で賑わっていた。



△真冬の開拓池。此処も何度も撮影に行きました。白鳥が飛来しています。11月30日頃・・。(終吉)

開拓池。


空青く空気は澄んでいた浅間山はご機嫌よく見せてくれた。こんなことはめったにないこと。
頭とお腹と足がクッキリ、まさに寝観音であった。句会は柴山宅。参加11名。




   

左から頭 お腹 足がクッキリ見えますね。

△私がペンション経営時、ビュースポットで四季折々撮影していた懐かしい場所です。柴山さんの自宅の近くですね。(終吉)




差し入れのこんにゃくの刺身、わらび、漬け物、おはぎ、おにぎり、焼鮭の糟汁など山家料理を喜んで頂いた。勿論銀漢酒造の酒なども。お帰りの頃は冬満月であった。(2021/11/27 つ)





photo by  Udai  2021/19/18   撮影




photo by  Udai  2021/19/18   撮影



photo by  Udai  2021/19/18   撮影













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