第二百五回銀漢北軽井沢句会会報 令和三年十二月八日(水) 当季雑詠五句 席題一句 十二月 クリスマス |
をちこちに飛沫上げけり鳰の池 お焼買ふ峠の茶屋に雪来たる ひとつ年加へて新た日記買ふ |
柴山つぐ子 |
海晴れやジャズの流るる大根畑 良寛の里訪ふ朝の冬の虹 着ぶくれて美化運動の列につく |
中川冬紫子 |
身辺に増ゆる彼此十二月 処刑地の頬被りして忠治像 幼子の藁屑つけて聖夜劇 |
佐藤 栄子 |
牧場の寒肥の匂ひ限りなし 子を思ひ母を思ひし十二月 玩具箱溢れてをりし聖夜かな |
山﨑ちづ子 |
野良猫に日向の路をゆずらるる ふくら雀飛び立つときは衣脱ぎ 心眼で決めし老師の松手入 |
岡田 久男 |
鯛の皮かりりと焼くや冬うらら 首通す母のセーター母の匂ひ オルガンの高音響くクリスマス |
北川 京子 |
晩秋の墨絵のやうな浅間山 ワイン飲み二人で祝ふクリスマス |
木下 誠司 |
雪の宿女将の民話聞く夜かな 空つ風無人の駅を走り去る 冬桜竹馬の友の訃報あり |
黒岩伊知朗 |
廃屋の玻璃戸に映る冬夕焼 待ちきれずサンタの長靴履く稚児 点滅の信号かけぬけ息白し |
黒岩 清子 |
雪折れや杉の枝口匂ひをり 寒椿際立つ紅や蔵の町 |
佐々木終吉 |
冬曙雲湧き出る大浅間山 山眠る生活の煙くゆらせて いつもより早ぐ過くるや十二月 |
佐藤かずえ |
冬晴れや初めて気づく芭蕉句碑 大掃除手早く床を磨くかな |
佐藤さゆり |
降る雪や新聞配る午前四時 大晦日深夜に回る印刷機 |
白石 欽二 |
大根抜くこつと力の攻めぎ合い 池の底水面に映る冬紅葉 |
武井 康弘 |
冬木立宿木丸く緑なす 眼鏡かけ眼鏡を探す師走かな |
山﨑 伸次 |
横沢 宇内 |
|
黄昏の浅間山の煙時雨くる 初雪や浅間山の裾を拡げをり |
★祝賀のあとの句会、ささやかに達成感あり、二〇五回からはじまる。頑張ろう。 (柴山つぐ子)
★一月の句会 及び 新年会 一月十二日(水)九時半より句会 兼題 新年一般 句会後に新年会を行います。会費二〇〇〇円 会場 鎌原つり堀 一月七日までに出欠の連絡をちづ子さんまでお願いします。 ★新年度より役員が、事務局長、武井康弘さん、会計、佐藤かずえさんにお願い致します。 ★俳句アラカルト 単純であること。季語の説明はしない。詩情のあること。心が率直に出ること。何を感じたか。 何を見てとったか。 ★早いもので一年が終わります。色々あった年ですが何とか治めました。来る年が素晴らしい年となりますよう、健康第一です。ご自愛下さい ( 2021.12.10 つ)
|