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第207回 北軽井沢句会  (2022/3/9)

第二百七回銀漢北軽井沢句会会報

        令和四年三月九日(水)
   
         兼題 水温む 桜餅 風光る 席題 まんさく 暖か 



photo by Udai 撮影(2022/3/3)






音たてて家を揺すぶる春一番                山﨑 伸次

水底の尾ひれゆるりと風光る                

一人居の姉への土産桜餅

 



 
 春泥や来たる季節のはしわたし
             
 野に摘みて母の草餅うまかりし

 寺子屋の破れ障子やまんさくの花

 からまつの芽吹はじまる浅間山









柴山つぐ子

 暖かや笑ひじょうずのゐる客間
             
 吉祥寺の十六羅漢風光る

 水温む雑魚の集団日の浅場




   
小林 好子
 
 夫留守の一日の憩ひ桜餅
                
 偶の春大雪に溜息す

 鳥寄せの羽撃く雀風光る




 
佐藤 栄子
 目が合えば笑ふ稚児や風光る
              
 俺と言ふ男の子と食ぶる桜餅

 新種かと触られてゐるシクラメン






山﨑ちづ子
 一点の空の高さよ雲雀鳴く
               
 梅東風や色とりどりの菓子袋






佐藤かずえ 
 ぶら下がるだけの鉄棒春寒し
              
 川風に老舗の暖簾桜餅

 水温む土橋の足の逞しき





岡田 久男 
 春立つを鳥どちも知り集ひけり
             
 まんさくや隣の子等の笑ひ声



北川 京子
 
 水温む川面に揺れる日の光               




 
木下 誠司
 春炬燵猫が入れば猫の城
                
 戸を開けてお帰りなさいつばくらめ

 一句手にあれやこれやと春の夜





黒岩伊知朗
 寄せ書きのすみにさよなら三月尽
            
 門灯の遅くともりて春近し

 小さき手よ雛の御膳供へをり




黒岩 清子 
 亡き猫や鳴きだしさうな春炬燵
               
 草萌ゆる駆け行く子等や土匂ふ






佐々木終吉 
   
 嬬恋の方言真似る春なかば
                 
 雪解の幼き頃の逆上がり







佐藤さゆり 
 山腹に煙舞ひ上げ杉花粉
                 
 温泉に潜りて癒す花粉症




白石 欽二
 水温む池の水面に鯉映る
                  
 白魚の黒目めがけて箸狙ふ
 


武井 康弘 

 
 
 音たてて家を揺すぶる春一番
                
 水底の尾ひれゆるりと風光る
                
 一人居の姉への土産桜餅




  
山﨑 伸次
 
 
 星空の鑑賞会や春の宵
                   
 白梅の蕾数多に付けてをり



横沢 宇内
 





★四月の句会   四月十三日(水)八時半 管理事務所集合
  小諸 懐古園、虚子庵 吟行
  会費 三千円 お弁当各自持参 (途中コンビニでも調達できます。)
  参加、不参加を武井(090-4170-2454)、北川(090-9312-4797)へ、四月五日までにお知らせ下さい。
  不参加の方は、欠席投句として当季雑詠五句を柴山までお送りください。

★俳句には喜びがある
  見る喜び
発見する喜び
発表する喜び
認めてもらう喜び
座の喜び
 句会には体力気力元気が必要である。
 俳句の持つエネルギーを貰ってお返しをしてゆく。(2022.3.9つ)








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