第209回北軽井沢句会 (2022年)
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柴 柴 |
5 豆飯や貧しきときも又今も 袋掛けふは浅間のよく見えて 2 浮き上がるほどの数なる袋掛 1 袋掛溶岩も顕な裾畑 |
伊藤伊那男 |
伊 |
1 豆ごはん上手に炊けて仏飯に 2 しばらくは巣箱に貸せりポストかな 1 若葉みち心優しくなりにけり 1 一面のフルーツ街道袋掛 |
柴山つぐ子 |
柴 |
上向けど空の隠るる山若葉 4 北軽に着けば新たな若葉風 |
伊藤 政三 |
1 腰曲げて慣れぬ脚立の袋掛 1 自慢げに見せる豆飯村役場 1 豆飯や門外不出の塩加減 |
大野田井蛙 |
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伊 |
5 袋掛入り日を入れて終へにけり 3 風抜くる土間に豆飯炊き上がる 1 若葉風浅間の裾をめぐるかに |
小野寺清人 |
柴 |
1 穏やかに暮れし一日や豆御飯 2 裸婦像の遠き眼差し若葉風 1 白雲の葉末に流れ袋掛 |
佐藤栄子 |
伊 |
1 何気ないひと日が暮れて豆の飯 2 夏来たる光る機体と雲の帯 |
佐藤かずえ |
伊 |
1 湯上りの坊のくりくり豆ご飯 4 海のなき甲斐の白波袋掛 1 紅の葉を繁らせて八重の余花 1 透き通る傘で出掛くる若葉雨 1 葉桜の日の斑ざはめく段葛 |
戸矢 一斗 |
伊柴 伊柴 柴 |
2 掘らるるを待つ筍の山しづか 1 思ひ出を紡ぐ一日や豆の飯 1 若葉風山ふんはりと色重ね |
山﨑ちづ子 |
伊 |
4 袋掛腰のラジオが時報打つ 1 袋掛産土の空まじまじと 1 産土と共にいただく豆の飯 1 松蝉のしぐるる山家まだ開かず |
岡田久男 |
伊柴 伊 |
袋掛手を休めれば遠く槍 亡き夫の誕生祝ひ豆の飯 1 山降りるほどに若葉の濃くなりぬ |
北川京子 |
1 豆御飯食べたと明治生れ人 1 愚痴多くなりたる夫に初夏の風 1 袋掛け終へて満蒙開拓地 |
黒岩伊知朗 |
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伊 柴 |
豆飯の走る力や飛ぶ力 1 楽しみは子の名したため袋掛 1 茶畑をいくたび走る若葉風 |
小林好子 |
1 砂遊びトンネル手触れ若葉かな 1 鉄棒の身動きとれず若葉風 |
佐藤さゆり |
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1 鯉のぼり風のご馳走より高し 1 陽に向ひ心重ねし袋掛 |
佐々木終吉 |
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柴 |
1 豆飯を持参の友と酒をくむ 1 袋かけ終へて安どの帰路につく |
佐藤洋一郎 |
3 一手間の高級果実袋掛 2 鮮やかさ山駆け登る若葉かな |
白石欽二 |
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柴伊 |
1 袋掛家族全員梯子の上 |
武井康弘 |
1 公園をつなぐ並木や花水木 1 電燈の笠の如しや袋掛 |
横沢宇内 |
(記録:戸矢一斗)
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浅間山の麓に広がる15万株の大輪のしゃくなげと浅間高原のパノラマです。日本でも最大クラスのシャクナゲ園、その規模と可憐さは訪れた人々を魅了します。 |