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第二百十五回銀漢北軽井沢句会会報 令和四年十二月十四日(水)管理事務所 兼題 三句 暮早し 日記買ふ 蜜柑 当季雑詠 三句 席題 一句 |
いつ閉ずる分からぬ命日記買ふ 古暦あの日あの時蘇る 柚子湯して昔はみそぎとぞいはる 初雪来おとぎの国のお客さま |
柴山つぐ子 |
暮早し待合室の子がぐずる 目で選りて手で確かめる蜜柑狩り 去年今年病みて貫くものありし 初雪や祝ひを開く一ページ |
小林 好子 |
蜜柑食ぶさうねさうねと相槌す 墳丘の囲む埴輪や冬ぬくし 病む犬と言葉かわして落葉焚く |
佐藤 栄子 |
みかんむくただ待つだけの日となりぬ 付録付く薄紅色の日記買ふ 日の温み残る畑にて大根引 石仏へ合はす両手や枯野道 |
山﨑ちづ子 |
海風に日はゆるゆると蜜柑もぐ 毛糸編むけふ一日を生かされて ふたつみつ浮かべて母の柚子湯かな 初雪やつがひの鳥の影早し |
佐藤かずえ |
もらふよりあげる喜びクリスマス 畳替履き物いつも外を向く 古本に傍線ありて冬ざるる |
北川 京子 |
源平の遺跡に小さき注連かざり 来る年は心機一転日記買ふ 雪吊りの縄の数だけ竹の杭 |
黒岩伊知朗 |
夕焼けの彼方は戦禍山眠る 明治遺構アプトの道の返り花 来る年は一日一句日記買ふ |
黒岩 清子 |
蔦落葉ふるさとの道想ふかな 通院のトンネル抜くる暮早し 冬ぬくし傘寿を祝ふ子等に寄り |
小林 尊子 |
日記買ふ三日坊主や気も新た 古里の棚田一枚春を待つ 薬王院お数珠受くるや寒椿 |
佐々木終吉 |
冬桜歩み続けて満願す 競い合ひクライミングす冬日和 初雪の閑散とする畑かな |
佐藤 さゆり |
暮早し予定こなせず野良仕事 日々記録来年こそと日記買ふ 人知れず岩櫃口の冬桜 |
白石 欽二 |
路地裏の小さな八百屋暮早し 久々に思ひを綴る日記買ふ 木枯や猫の甘えは床の中 |
武井 康弘 |
故郷恋ふや秩父夜祭り来ればなほ みかんむく夜汽車の姉妹喪の帰り きたかるに佳き師佳き友冬銀河 小鳥来る兜太の句碑に湯の香濃し |
中島みつる |
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走り去るテールランプや暮早し 青空の色失せゆくや暮早し 日記買ふ五年元気と願いつつ |
山﨑 伸次 |
湯豆腐やほのと亡き妻思ひはせ 頬つぺたを紅潮させて蜜柑むく 祭日の雨の一日や暮早し |
横沢 宇内 |
いつ閉ずる分からぬ命日記買ふ 古暦あの日あの時蘇る 柚子湯して昔はみそぎとぞいはる 初雪来おとぎの国のお客さま |
柴山つぐ子 |
暮早し待合室の子がぐずる 目で選りて手で確かめる蜜柑狩り 去年今年病みて貫くものありし 初雪や祝ひを開く一ページ |
小林 好子 |
蜜柑食ぶさうねさうねと相槌す 墳丘の囲む埴輪や冬ぬくし 病む犬と言葉かわして落葉焚く |
佐藤 栄子 |
みかんむくただ待つだけの日となりぬ 付録付く薄紅色の日記買ふ 日の温み残る畑にて大根引 石仏へ合はす両手や枯野道 |
山﨑ちづ子 |
海風に日はゆるゆると蜜柑もぐ 毛糸編むけふ一日を生かされて ふたつみつ浮かべて母の柚子湯かな 初雪やつがひの鳥の影早し |
佐藤かずえ |
もらふよりあげる喜びクリスマス 畳替履き物いつも外を向く 古本に傍線ありて冬ざるる |
北川 京子 |
源平の遺跡に小さき注連かざり 来る年は心機一転日記買ふ 雪吊りの縄の数だけ竹の杭 |
黒岩伊知朗 |
夕焼けの彼方は戦禍山眠る 明治遺構アプトの道の返り花 来る年は一日一句日記買ふ |
黒岩 清子 |
蔦落葉ふるさとの道想ふかな 通院のトンネル抜くる暮早し 冬ぬくし傘寿を祝ふ子等に寄り |
小林 尊子 |
日記買ふ三日坊主や気も新た 古里の棚田一枚春を待つ 薬王院お数珠受くるや寒椿 |
佐々木終吉 |
冬桜歩み続けて満願す 競い合ひクライミングす冬日和 初雪の閑散とする畑かな |
佐藤 さゆり |
暮早し予定こなせず野良仕事 日々記録来年こそと日記買ふ 人知れず岩櫃口の冬桜 |
白石 欽二 |
路地裏の小さな八百屋暮早し 久々に思ひを綴る日記買ふ 木枯や猫の甘えは床の中 |
武井 康弘 |
故郷恋ふや秩父夜祭り来ればなほ みかんむく夜汽車の姉妹喪の帰り きたかるに佳き師佳き友冬銀河 小鳥来る兜太の句碑に湯の香濃し |
中島みつる |
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走り去るテールランプや暮早し 青空の色失せゆくや暮早し 日記買ふ五年元気と願いつつ |
山﨑 伸次 |
湯豆腐やほのと亡き妻思ひはせ 頬つぺたを紅潮させて蜜柑むく 祭日の雨の一日や暮早し |
横沢 宇内 |
★今月の句会は、句会後に柴山先生出版お祝いパーティーを控えての句会でした。先生の長年の俳友、中川冬紫子さん、小林好子さんを交えての句会。いつもと違うメンバーで少し緊張感のあるものとなり、新鮮な思いがしました。 (北川 京子) ★一月の句会 一月十一日(水) 管理事務所 午後一時から 兼題 新年一般 ★上毛新聞「みんなのひろば」に小学五年生男の子の文章が掲載されており興味深かったので、抜粋し紹介いたします。 俳句は、はかせ はっけん、かんさつ、せつめいしない ★柴山先生、句集「つまこい」出版おめでとうございます。 当日は寒い中コロナ禍の中、また遠路好子さん中川さん、大勢の方にお集まりいただき心温まる祝賀会が催せたこと皆様に感謝申し上げます。 事務長武井さん、柴山先生のご挨拶続き、会員一人一人が思いを述べました。柴山先生への感謝、句集の感想などさまざま。皆、俳句が好きで北軽井沢句会が大好きなんですね。また大勢のご友人からのお手紙披露など内容盛り沢山の濃い祝賀会となりました。 句集を最初に手にした時、なんて素敵なんだろうと心がワクワクしました。青空に浅間山まで続くキャベツ畑。先生直筆の「つまこい」。やわらかで大らかで、カバーの中の表紙の赤。「あっ、つぐ子さんだ」と思わず心の中で叫んだほどです。また、中は先生渾身の句ですね。大好きな句いっぱいいっぱいあります。これからの会員の作句の道しるべです。 句歴四十年の集大成。おめでとうございます。そして、ありがとうございました。これからもご指導よろしくお願いします。 人生の放課後。放課後は楽しいものです。ご一緒にいろんなこと楽しんで行きましょう。至らない幹事でしたが皆さまご協力ありがとうございました。(祝賀会幹事 横沢宇内・黒岩清子) ★色々なことがあった今年ですがそろそろです。年末のお忙しい処ですが、お体に充分気をつけられてご健吟下さいませ。よいお年をお迎えください。(2022.12.17 つ) |