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第二百十七回銀漢北軽井沢句会会報 草津町ホテルヴィレッジ 令和五年二月八日(水) 兼題 雨水 梅 独活 当季雑詠 三句 席題 一句 |
しばらくは独活したしけり匂ひ満つ 一山の山の広さよ梅香る はるかなる浅間裾野や風光る 春を待つじゃほうじてふ愛しきもの |
柴山つぐ子 |
春苺真白き花に振れて摘む 春炬燵ともがき夜のふけにけり 食卓の挿したる梅の満開に |
小林 好子 |
寒明けや太鼓一打に楽終る そろそろと誘ふ日差し梅三分 珍客へ山家の庭の芽独活かな 耕人の畑のひろびろ車輪跡 |
佐藤 栄子 |
穏やかな日和となりし独活和へる 湯の匂ふ草津の空は春まぢか 歩き初む児の声嬉々と春きざす 針供養済ませて出向く草津の湯 |
山﨑ちづ子 |
糸のつくままに錆びをり針供養 春めくやまだやはらかき鳥の糞 耳立てて栗鼠駈けおりる雪間かな 鋸をひく木屑の色も春めけり |
佐藤かずえ |
だんご屋に賑はひ戻り春きざす 生くるもの皆に優しき雨水かな み仏も半眼となる日永かな |
北川 京子 |
光蔭や母の生家の梅古木 七草の名前も言えぬ現代子 鬼は外の声も小さき過疎の村 |
黒岩伊知朗 |
無人駅梅の枝もて客のあり 白梅の一枝紅のまじりをり そよ風に髪の乱るる雨水かな |
黒岩 清子 |
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水琴窟音の消えゆく春隣 一村を包む雨水や千枚田 探梅の尖りし風や晴れ渡る |
佐々木終吉 |
陽春の十六羅漢猫潜む 一周忌そつと添へらる花苺 還暦のご祈祷夫と春来る |
佐藤さゆり |
立春や新聞配る零下五度 薄明に梅の蕾や目の高さ 雨合羽忘れ震える雨水かな |
白石 欽二 |
東風吹くや耳にまとわるおさげ髪 梅林や人集まりて見上げてる きざみ独活白い味噌にも香移す |
武井 康弘 |
音立てて地球突き刺す大氷柱 独活掘るや鉱山跡の日溜りに 火山噴くかと思いけり春の雷 |
中島みつる |
独活の香や味噌沸き上がる朝の椀 背伸びしてそつと顔寄せ梅の花 ぬかるみに足をとられし雨水かな |
山﨑 伸次 |
節分や無言で食ぶる恵方巻 早春の草津訪ねて吟行会 湯畑に下駄踊りをり春来る |
横沢 宇内 |