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三月八日(水)管理事務所 午後一時 兼題 卒業式 猫の恋 桜餅 当季雑詠二句 |
線香の煙ゆつたり流るめかり時 ふる里は海のある街若布干す 沈丁花つぎつぎ開き匂ひ濃し さらさらと崩れる土手のふきのたう |
柴山つぐ子 |
浅間嶺を称ふ校歌や卒業す 春寒や一樹に雀群れてをり 春愁や親子喧嘩のわだかまり 半眼となりし蛙の目借時 |
山﨑ちづ子 |
底ぬけに素直な長子卒業す 雲映る水舐め猫の恋終る 桜餅自由は侘びし茶のしずく |
小林 好子 |
囀りや園児の列ののびちじみ 結ひ上げし嫗の髪や春ショール まんさくや過去たぐりてはたぐりては 来る頃と思ふ栗鼠来て朝うらら |
佐藤 栄子 |
ふたつ買ひひとつは母に桜餅 まんさくやたゆたふ光まとひけり 古雛のほのかな紅の愛しけれ かけてすぐ飛ばされさうな春ショール |
佐藤かずえ |
公園の野良も今夜は恋の猫 下萌えや地球の産毛やはらかし 握手する手に湿りあり卒業式 |
北川 京子 |
猫の恋姉妹をつなぐ糸電話 上田城址風もぬるむや桜餅 バラギ湖へつづくこの道茨の芽 |
黒岩伊知朗 |
春ショール写真の母のセピア色 努力とは継続なりや卒業子 蠟梅や京より求めし化粧紙 |
黒岩 清子 |
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恋猫や傷は勲章朝帰り 南部鉄細き湯気立つ桜餅 桜餅幟立つ香や緋毛氈 |
佐々木終吉 |
長年のこだはり気づく春一番 ひなまつり吾子の姿に微笑まし |
佐藤さゆり |
涙する卒業式の夜学生 真夜中の道を占拠す猫の恋 真昼間の宴蛙の目借時 |
白石 欽二 |
ハチ公の頭に掛ける春ショール 桜餅甘さと塩味競ひ合ふ |
武井 康弘 |
蕗のたふ句碑建つ鉄山跡にかな 林中に日のこぼれをり水温む 一人来て又一人来て雛の間 |
中島みつる |
玻璃戸越し寄せ合ふ体猫の恋 狼を真似るが如し猫の恋 湯上りの茶柱斜め桜餅 |
山﨑 伸次 |
亡き妻の棹に残りし春ショール 仏壇の下りいただく桜餅 思はずも薄氷踏みて音たてり |
横沢 宇内 |
秋風のまん中にゐて夫恋し 煤逃のあの世楽しと還り来ず つぐ子さんに初めてお会いしたのは、二十年位前のことです。「うちの女房は俳句の先生なんだ」と、ちょっぴり自慢そうにおっしゃるだんな様の英明さん。後ろにはつぐ子さん。今とおんなじショートヘアのちょっぴり恥ずかしそうなつぐ子さんがいらっしゃいました。英明さんが亡くなられて十三年とのこと。『つまこひ』には英明さんを思う句が数多登場します。とても素敵で、時には胸が熱くなったりおかしかったり。今頃、あの世で「うちの女房よくやった」と英明さんはあの時のように自慢そうにおっしゃっていることでしょう。もしかして『つまこひ』を優しく抱きしめているかも。きっとそうです。 (黒岩 清子) ★ 八十歳を前にして心を打たれた歌に出会いました。息子の老母に感謝と詫びの気持ちを唄った曲で「かんべんな」という曲です。私は父母を昔に亡くしました。私は母親をよく句にします。どうしても父より母が口に出ます。柴山先生に出会い、教えを受け、句会の仲間に励まされながら今日まで来ました。今では句会を楽しみに待つようになりました。「句集つまこひ」は私の宝です。 しばらくは巣箱に貸せるポストかな は、先生のお宅と優しさが見えてきます。今後もお宅に伺わせてもらいます。どうかお元気で花畑の手入れやグランドゴルフも続けられますよう。 (黒岩 伊知朗) ★四月の句会 四月十二日(水) 管理事務所 午後一時から 兼題 四月馬鹿 たんぽぽ 桜鯛 ★空想季語の蛙の目借時については、難しいという皆の感想でした。 普段親しんでいる季語だけでなく色々な季語で作句しましょう。 (ちづ子) ★六月は、高尾山吟行を予定しています。日程は、六月十三、十四日です。詳細は決まり次第お知らせします。皆さまご予定ください。 |