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第二百十九回銀漢北軽井沢句会会報 令和五年四月十二日(水)管理事務所 兼題 四月馬鹿 たんぽぽ 桜鯛 |
田舎寺人わづかなり仏生会 蕗味噌も添へて供へる仏飯 夜ざくらの隅田川辺り華やげり |
柴山つぐ子 |
軒下に藁しべ垂らす燕の巣 初蝶を風の中へと見失ふ 若き日を鏡に映す万愚節 季の物と届けし人の諸葛菜 |
山﨑ちづ子 |
釣り上げし我とスマホの桜鯛 卒業や盛り場の灯なつかしむ たんぽぽや群落を裂く鉄条網 |
小林 好子 |
入学や蝶ネクテフのすまし顔 宝籤一字違ひや万愚節 たんぽぽや笑顔遺して夕まぐれ |
佐藤 栄子 |
杏花村今年は早も散りにしと リンスからシャンプーが出る四月馬鹿 桜しべ降る姥捨の停車場 |
佐藤かずえ |
杖に訊くけふの按配木の芽風 MRIに脳ギザギザや万愚節 たんぽぽと話す幼な子たんぽぽ語 |
岡田 久男 |
鶯に起こされ今日は良き日かな 成就せし恋ひとつきりヒヤシンス たんぽぽや逆転満塁ホームラン |
北川 京子 |
過ぎし日の佐渡の夕陽や桜鯛 卓上の大山桜句会かな 点呼する新人教師新入生 |
黒岩伊知朗 |
山桜ほのと灯点す山家かな 桜しべはるか修験の山望む 見はるかす赤城榛名も春がすみ |
黒岩 清子 |
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四月馬鹿当る予報士動く眉 蒲公英や絮毛の行方天使めく 遠浅間風を掴みて桜蘂 |
佐々木終吉 |
たんぽぽの無邪気に遊ぶ砂遊び 新緑の恐さ知らずに脚立乗る |
佐藤さゆり |
四月馬鹿本気にされて困惑す たんぽぽや空き家の庭を鮮やかに |
白石 欽二 |
手の中にあふれ落ちても蓬摘む 鯛の浦買ひ物かごに桜鯛 |
武井 康弘 |
黄水仙風の素通る無人駅 羚羊の振向く朱夏の火山道 落葉松のいま芽吹かむと白根晴 |
中島みつる |
合格を嘘だと怒る四月馬鹿 桜鯛盛られし皿に尾鰭出し |
山﨑 伸次 |
蒲公英や猫の額を占領す 吾妻線存続願ひ桜咲く 花月夜ライトアップの村おこし |
横沢 宇内 |
★例年より早くに桜が満開です。作句には良い季節となりました。沢山の俳句を作りましょう。(山﨑ちづ子) ★五月の句会 五月十日(水) 管理事務所 午後一時から 兼題 麦の秋 豆飯 母の日 当季雑詠 二句 席題 ★すばらしい句集出来ました。お仲間のお陰です。ありがとう。」と句集つまこひが手元に送られて来ました。わあーと思わず声を上げ一句一句噛み締めて読ませてもらいました。 嬬恋村に移住され、俳句仲間を集い銀漢北軽井沢句会を立ち上げ自宅を句会場に開放して、何時も美 味しい物を手早に料理しもてなす懐深きつぐ子さんです。最初につぐ子さん宅へ伺っての句会は、炬燵で 甘酒をいただきながらでした。生まれて初めての句会でした。とても印象深く記憶しております。 句集つまこひの刊行に肩の荷を下ろさずに、北軽井沢句会の指導を宜しくお願いします。 煤逃のあの世楽しと還り来ず 母訪うて別れの握手十三夜 ひとり座す吾に冬日のありがたく 生涯の放課後といふ日向ぼこ 此処にゐて黄泉路の賀状待ちにけり (佐藤栄子) ★つまこひの出版おめでとうございます。 鎌倉から嬬恋へ生活の場を移し、母・夫・子供達と家族を詠んだ句が多くあります。柴山さん宅を訪問し た時は「早く帰って酒を飲みたい」と思うのですが、必ず昼食を出してくれる気遣いです。浅間山を詠んだ句も多くあります。私の好きな句は『転がして浅間を背に雪だるま』。これからも指導をよろしくお願い致します。 (武井康弘) |