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第二百二十回銀漢北軽井沢句会会報 令和五年五月十日(水)管理事務所 |
2023/5/11 photo by Udai
母の日の二人の写真ありがたく 木々芽吹くその勢ひの昨日今日 浅草の万太郎の街夕薄暑 |
柴山つぐ子 |
青空の畑に小昼の柏餅 一山はしやくなげ色に埋もれり 鳥声を夢見心地に四月尽 |
山﨑ちづ子 |
親孝行するといふ子と豆の飯 ことさらに風鐸鳴れり若葉風 照り返す三浦街道麦の秋 |
小林 好子 |
車座に頬張るむすび五月晴れ 母の日の母へ届かぬ文一つ ひと手間の配る伽羅蕗雨上がる |
佐藤 栄子 |
茄子植うや紺のかたまり置くやうに 槙植うや雲ひとつ無き端午の日 星に口向けて休みぬ鯉のぼり |
佐藤かずえ |
ひとり居のあるじ達者と棕櫚の花 母の日の母はひねもす炊ぎけり 薫風に押されてけさの万歩計 |
岡田 久男 |
しやくなげを眼下に望みティータイム 軒先に椅子一つ出し緑の夜 夕に食ぶだけの土筆を摘みにけり |
北川 京子 |
母の日や老ひゆく様を子らに見せ 天空の石楠花園や栗鼠の道 クレーンの延ばす手五月の雲掴む |
黒岩 清子 |
一人居や一合飯の豆御飯 石楠花も一枝添へて山の寺 |
黒岩伊知朗 |
母の日や老ひゆく様を子らに見せ
空の石楠花園や栗鼠の道 クレーンの延ばす手五月の雲掴む |
黒岩 清子 |
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豆の飯訛り懐かし母の笑み 母の日や遺影に偲ぶ割烹着 |
佐々木終吉 |
筍の母直伝の味自慢 風薫る日常忘れ深呼吸 |
佐藤さゆり |
母の日や姉の背中に母を見る 母の日に足踏みミシン響きをり |
山﨑 伸次 |
草笛や父に教わる術がある の日の手で握られた塩むすび |
武井 康弘 |
今日生きて花の空より母のこゑ 母の日の母の面影リラの花 信濃路の空の青さや花りんご |
中島みつる |
母の日や姉の背中に母を見る 母の日に足踏みミシン響きをり |
山﨑 伸次 |
シャクナゲ園祭の旗も靡きけり シャクナゲ園準備作業のエンジン音 |
横沢 宇内 |
★コロナが五類へ移行となりました。ちょうど六月は高尾山吟行です。美しい物・美味しい物を皆で共有し沢山の俳句を作りましょう。 (山﨑ちづ子) ★六月の句会 六月十四日(水) 高尾山吟行 万座鹿沢口駅 午前五時四十五分集合・六時出発 会費 二万六千円 当日の朝集金します お釣りのないようお願いします とても美味しくて豪華な昼食を用意しています 幹事 武井康弘 横沢宇内 黒岩清子 ★「蕗煮ゆる丸ごと山家匂はせて」 自分でも同じ情景を味わいたくて蕗を煮てみたら家の中が蕗の匂いでいっぱいでした。この句のように前向きにチャレンジできるように作句したいです。 「つまこひ」は柴山さんの人生の句が詰まっているように思います。娘・妻・母・祖母等として何役もこなし、ご家族を大切にし豊かな人生を歩まれてきたことが伺えます。(佐藤さゆり) ★「つまこひ」出版おめでとうございます。又、私にも届けて下さりありがとうございます。時々読みかえさせて頂いていますが、最近伊那男先生の帯が外れキャベツ畑と浅間山が現れびっくり。さらにこの畑は私が親しくしている方の畑のようで、何か勝手に縁を感じてしまいました。「つまこひ」の題にも感じられますが本の中は穏やかな家族でいっぱい。 明日帰る夜更けの椅子に帰省の子 種袋蒔かずに逝けり夫の文字 母の日に幾度もいふありがとう 私も「ありがとう」と言葉に出すよう心がけます。(山﨑伸次) |