更けてより羽音はじまる兜虫
万緑や浅間は青き息を吐く
むせ返る程の街道栗の花
嬬恋もはづれの森や夕立来る
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柴山つぐ子
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湧水の溢るる桶のトマト美し
九谷かと問へば有田や夏料理
昼寝して足裏夫にくすぐらる
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小林 好子
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郵便夫去る音かすか昼寝覚
蟻の来て払へば本を落としけり
葉打つおと葉ごと違へり半夏雨
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岡田 久男
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久々に蚊の迷ひ込み追放す
迷ひ込む蠅追ひ廻し打ち落す
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岡村妃呂子
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笑みうかべ午睡の稚に風そよぐ
真紅なる絵心誘ふ山桜桃の実
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河上 和子
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皆のぐち聞かぬふりなり昼寝猫
風静か浅間嶺映し田植待つ
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黒岩 茂子
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鬼灯の青く小ゐさき提灯に
夏の蝶我畑にて憩ふなり
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小林 尊子
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水彩画色のはみ出す凌霄花
上州弁飛びかふ夏やローカル線
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佐々木終吉
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扇子から仄かな香気風につく
浅間嶺のみどり溢るる風の色
我の黙夫の黙しや初蛍
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佐藤 栄子
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蝉時雨信濃の寺の真昼時
涼風やひととき寺の石の椅子
青く透く小さき地球すぐりの実
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佐藤かずえ
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名付け子の健康祈る星祭
朝焼けの力引き出す花セラピー |
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佐藤さゆり
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サングラスかけて心の腹見せぬ
夕焼に浮き出てくるや浅間山
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武井 康弘
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石段の朽ちてはみ出す半夏生
店積みのキャベツの箱につまごいと
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山崎ちづ子
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高峰にわたる涼風足軽き
父の日の遺品整理にひと日暮る
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横沢うだい
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