標高1100Mの北軽井沢の美しい四季を詠む・・






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2008年 第61回 北軽井沢句会 戻る



■動画へリンクします(4分)
BGMは「トゥラバ・アゲイン」




第61回北軽句会 平成20年10月15・16日(2008年)


老神温泉と吹割の滝・1泊吟行旅行 出席者 10名





薄紅葉撮る顔となる老夫婦 

2日目の道の駅での記念撮影のスナップです。参加された方の素敵な
笑顔が何よりも嬉しいものでした・・。




利根の滝吹き割れてをり秋深む 


吹き割れの滝(吹き割り、吹割とも)は群馬県北部(沼田市利根町)に位置し、高さ7m、幅30mをほこる名滝です。 2000年に放映されたNHK大河ドラマ『葵 徳川三代』のオープニングに登場し話題になりました。

約1.5kmに渡る片品渓谷を流れきた清流が、轟々と水飛沫を上げながら川床を割くように流れ落ちていくこの滝は、しばしば「東洋のナイアガラ」とも呼ばれています。



割って落つ流れ渦巻く滝強し 


浸蝕の岩肌見せる秋の滝 岡村妃呂子
黄金の稲架掛け映ゆる三国道
行く秋や山襞ながめ湯に浸かる








ふきわれの岩に張り付く蔦紅葉 佐々木終吉
吹割の紅葉はらはら川面行く
金風の吹割の滝水踊る










奥利根の荒滝に佇ち秋詠ふ 清水一静
利根の滝吹き割れてをり秋深む
虫の音や老神の湯の柔らかき
通草食ぶ少年の日の恋淡し








千畳の浅き瀬に浮く薄紅葉 林 敏彦
割って落つ流れ渦巻く滝強し
せまり来る岸壁染める秋の風




薄紅葉撮る顔となる老夫婦 滝沢咲秀
ひとり聴く川瀬の音や秋惜しむ
稲架かけし棚田一枚づつ明ける
俳句てふ魔物に覚めし秋の曙









秋山路師の句碑凛と座りたる 滝沢照香
発酵の木の香茸の生れし径
龍昇るごと川の在り渓紅葉
名のみ知る大黒しめじ市に買ふ







秋風や灯ともす宿の二、三軒 田村洋子
朝市の戸板に盛らる茸かな
滝道を迷ひて出会ふ薄紅葉
愛犬と瀬音ききゐる秋の旅










山田公子
月の宿旅寝の友の寝息かな
老舗宿床の間飾る草の花
愛犬も良夜で眠る旅の空
風落ちて瀞の流れや薄紅葉







名月や句にかる身の長湯かな 山田邦夫
吹割れの浮島占める芒かな
朝市のほまちに売らる茸かな
直訴なる義民の村の稲架びより





川床に陽のやはらかし秋の滝 柴山つぐ子
ほとばしる水白じろと秋の滝
秋陽浴ぶ吊り橋すこし軋ませて
走り根の詩の小径や水引草




龍昇るごと川の在り渓紅葉



ほとばしる水白じろと秋の滝 



川床に陽のやはらかし秋の滝




吹割れの浮島占める芒かな 



行く秋や山襞ながめ湯に浸かる



名月や句にかる身の長湯かな 



秋陽浴ぶ吊り橋すこし軋ませて



秋風や灯ともす宿の二、三軒



俳縁も深く結ばれて・・・・・・





■ひろば

奥利根に旅して・・・・            
第61回の北軽句会は老神温泉の吹割の滝1泊吟行でした。
事故もなく無事帰宅の事となり当番としてホットしております。
何よりも天候に恵まれ吹割の滝の醍醐味を満喫し、素晴らしい句
も詠まれ、初参加の林様も敢闘賞の授与があっても思う程、頑張って
頂きました。
「袋廻し」と言う初体験もあり、楽しい秋の夜長を味あう事が出来ま
した事感謝の一言です。

最後に私当番とは名ばかりで佐々木氏に甘えてしまい本当に申し
訳ありませんでした。

又旅行の不都合、不行き届きの数々切にご容赦願います。

                              当番  山田邦夫



■薄紅葉・・・・・

1泊2日・吹割の滝吟行旅行記に寄せて・・・・

1泊2日の北軽句会の、初の吟行旅行でした。
多数ご参加頂き、有り難うございました。
山田氏ともども当番を仰せつかりまして・・

宿の予約・・・・
吟行先を色々調べて、距離的にも時間的にも3時間位の吟行の企画を
考え、吹割の滝にと・・。
宿泊は18軒の宿があるという老神温泉に。パンフを取り寄せ、山田氏
とも相談し宿を予約。

吹割の滝・・・・
吹割の滝のロケーションの素晴らしい「日本の滝百選」。ここで詠まれた
吟行句を夕食前に開催された句会での名句の数々・・
夕食の和やかな時のながれ、初体験の食後の「袋廻し」、夜中まで明日
の為の句作り、朝食後の句会、3回で全19句。

実力・・・・・
実力が問われた今回の吟行句会でした。
短時間の中で詠まれた素晴らしい句には、頭が下がるおもいでの選句で
した。
と、同時に句の勉強不足を自覚した貴重な旅行でした。

秋惜しむ・・・・
句作りに追われつつ、平凡な旅では決して得られない、あっという間の吟行で
したが、お蔭様にて思い出多い充実した吟行旅行でした。

                               当番 佐々木終吉

あとがき

丸5年と言う歳月が流れました。よくぞと言う思いもあります。
右も左も分からぬ鄙の暮らしが始まって水も空気も景色も大満足ではありましたが、何か隙間を感じる思いがありました。

軽い気持ちで始めた句会ではありましたが、なんとふくよかに育った事よと、今では生みの親より育ての親というように、皆様のお蔭でなんとか5才の誕生日を迎える事ができました。

記念の1泊吟行会、お蔭様で当番の山田さん、佐々木さんのお2人のお世話で恙無く実施できました。俳縁も更に深く結ばれて、厳しい句作りも楽しかったの一言でむくわれます。

俳句はやはり面白いです。
これからも人の和を大切に句を磨き合い、楽しい句会を目指しましょう。




十六夜の句座いく度も山の宿 つぐ子

                                    柴山つぐ子


■次回の句会は・・・・・

日時  11月12日(水)

兼題  寒し  落葉   時雨 二句  雑詠 三句

場所  北軽井沢 十区事務所







2008/10/22 句会会員 佐々木終吉制作