■撫ぜ仏の手擦れの窪や梅雨の寺
■山裾の花またたびの円かかな
■雨がちの午後の静寂や水羊羹
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柴山つぐ子
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■羅や隅田川下りの灯の透ける
■姫女苑いまを盛りと虚子の庭
■風連れて風鈴売りの路地を来る
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中川冬紫子
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■啼き止むも始むも一斉蝉時雨
■夕暮れや風欲しげなる軒風鈴
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岡村妃呂子
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■高々と相輪かすめ夏つばめ
■風鈴の夜明けの音や遠浅間
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佐々木終吉
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■風鈴や子はそれぞれに歩みゐる
■ちぎり採るあかざの紅に指染むる
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佐藤かずえ
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■向日葵の茎太々と山の宿
■煩悩を南部風鈴打ち拉ぐ |
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佐藤 栄子
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■花南天満願の札納めけり
■喜多院の厄除けだんご夏落葉
■苔の花羅漢のしぐさ真似てみる
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佐藤さゆり
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■街ひとつ丸洗ひして夕立かな
■風鈴の音色優しく仲通り
■百日草城址の磴のなほ続く
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小林 好子
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■夏草や留守の畑のまはり道
■小母ちゃんの咲かす自慢の百日草
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小林 尊子
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■雨あがり花南天の粒光る
■梅雨晴れや五百羅漢に会ひに行く
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山崎ちづ子
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■摘ままれて音の軽やか葱坊主
■初生りのきゅうり齧ればめでたけれ
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鳴釜 和子
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■陶枕に頭のせれば夢の中
■ひと隅を明るくしたる百日草
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星野恵美子
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■何処までも追ひかけて来る蝉の声
■水羊羹妻に茶柱立ちにけり
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黒岩 章
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■縁日の夜風に風鈴鳴りてをり
■下駄の音浴衣姿の湯治宿
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上原 妙子
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■雨を背に口をへの字に青蛙
■くわがたに指挟まれし齢かな |
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上原 憲了
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■朝どりの野菜ゆたかに軒風鈴
■今日からの三月の花よ百日草
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湯本 半才
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■無住寺の一杓を置く噴井かな
(キャベツ収穫)
■女衆の手に手に包丁星涼し
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山田 礁
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