梅東風の洗礼と云ふ身のしまり
のどかさやひと日を草に寝ころびて
ふくいくと一山香る梅日和
|
|
柴山つぐ子
|
|
|
|
坐して待つ盲導犬や梅匂ふ
梅日和地酒試飲の紙コップ
春寒や鏡張なる試着室
|
|
中川冬紫子
|
だんだんと良くなる春の島景色
車輪梅怒涛のしぶき岩伝ひ
蕾あり満開もあり梅の里
|
|
小林 好子
|
ヨガのごと影を落して梅古木
老梅の上枝に凜と紅を引き
一山の秋間梅林薄紅に
|
|
山田 礁
|
古木なほ若木に混じり梅林
暖かや棚から降ろす重ね鉢
名木の桜と聞けば千里より
|
|
山田 鯉公
|
|
|
|
|
|
|
山荘の疎林の中を涅槃西風
お水取曾遊の地の懐かしむ
|
|
岡村妃呂子
|
|
|
|
いぬふぐり空見あぐれば同じ色
一枝となりてなほかつ梅古木
|
|
小林 尊子
|
日溜りやデッサンのごと梅の影
野の里の句座の笑顔や風光る
|
|
|
佐々木終吉
|
盛り上がる草に青草なほ伸びる
梅の里近づくほどに匂ひけり
|
|
佐藤かずえ
|
|
紅梅や神馬往き交ふこんぴら宮
暖かや遍路の国の夫婦旅
|
|
佐藤さゆり
|
ちぎれ雲上枝の梅の七分咲き
春の山歩幅に揺るる腰の鈴
|
|
下谷 詔子
|
梅見茶屋ところ狭しと土産売る
啓蟄やどかどかと入る道の駅
|
|
武井 康弘
|
梅古木伐り株の香の漂へり
日溜りに土手一面の犬ふぐり
|
|
鳴釜 和子
|
|
|
|
|
|
|
|
日だまりの土手になず菜の群生す
白梅の枝の遮り句碑を詠む
|
|
山崎ちづ子
|
梅林の初吟行の至福かな
風動き香り漂ふ梅林
|
|
橫沢 宇内
|