煤逃やあの世楽しと還り来ず
名の山も名知らぬ山も雪景色
汽笛聞くレンガ通りや枇杷の花
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柴山つぐ子
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竹林に日差したっぷり初笹子
綾取りの川で終りしつもる雪
冬籠モネの睡蓮リビングに
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中川冬紫子
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遠嶺みな雪を被りし浅間晴
塩味の佐久の黍餅厚く焼く
聞き上手話し上手や日向ぼこ
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小林 好子
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新雪の透く残り菜のうすみどり
冬耕の行きつく果てに温泉の館
人呼んで白根しぐれに軒を借る
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山田 礁
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囲炉裏火や村起こし論果てしなく
笹鳴きや藁垣むすぶ亡父の手
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岡田 久男
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山間の燃え切るすがた冬夕焼
初雪にしては一夜の積りすぎ
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岡村妃呂子
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吾子より貰ひし花の雪囲
火をおこし燻製造り冬ごもり
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小林 尊子
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寒立馬長き睫毛や北の果て
雪もよひ肉焼く音をたのしめる
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佐々木終吉
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冬薔薇の花散るあとの葉の光
初雪の朝茶の香り円かな
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佐藤かずえ
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大ぶりの柚子ぐつぐつとジャム造り
みかん風呂指先までもほぐれけり
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佐藤さゆり
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薪割りの遠く聞こゆる虎落笛
小春日や静寂の庭に人恋ふる
幾山河そのまた遠く雪の富士
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下谷 詔子
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冬ごもり旅の思い出地酒酌む
氷見の宿鰤づくしなる一夜かな
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武井 康弘
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初雪に在所すっぽり包まるる
寒いねの朝の挨拶しきりかな
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山崎ちづ子
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見渡せば何処もかしこも冬景色
山眠る当たる朝日の影の濃し
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橫沢うだい
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