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2016年 第143回 北軽井沢句会 戻る




第143回 北軽井沢句会  平成28年 (2016年) 

 平成28年3月9日(水)午前8時 管理事務所集合


「日帰り吟行」

一茶ゆかりの里(信州・高山)人形博物館/須坂









 

△当日・吟行句




今もなお一茶待つ里春の雪
           
一茶坊訪ね来たれば別れ雪

撫でさせて貰ふ丸石春の昼

紅煤け藁のはみ出す古ひひな

雛さまのお遊び道具貝あはせ

寺子屋の破れ障子に子らのこゑ






 





柴山つぐ子
 



枯山水箒目消ゆる春の雪
           
隠れ家の炉塞のなし一茶館

道の辺の春の高山筆の塚

豆雛の蜆の殻の貝合わせ




 
  山田 礁
仏へと誘ふ一茶句春の雪
            
ひとときを樹氷の花の中にかな

寺子屋の破れ襖や春の雨

まんさくの香りの中や武家屋敷



  小林 尊子 
一茶館付け木の文字や名残雪
          
萱ぶきの窓より漏るる雛あかり

土壁の明かり取りより春の雪

幼き日遊びし雛と遭ふ館

曲がりやの藁の匂ひや春の雨




 
  佐藤かずえ 
春雨に音なく濡れし一茶句碑
           
春雪や親孝行の一茶坊

春雨に濡るる寺子屋うす暗き




 
  武井 康弘 
春愁や一茶句記す付木かな
           
石濡らし木々濡らしをり木の芽雨

寺子屋に風の声かと春しぐれ

ささめける雛千体の人形館




  山崎ちづ子 
白梅の香り仄かや一茶館
             
江戸の世の風情を残す享保雛

町おこし須坂名家の雛飾り




 
  橫沢うだい 
 
欠席投句



   
花馬酔木お薬師さまは野ざらしに
        
春の雲耳の大きな撫で仏

芽柳の日を返えしをりくわんおん







  中川冬紫子 




用水の鯉群れ春の影ゆらぐ
           
まんさくの花付きよしと坊の妻

のどかさや一茶句集のおらが春


  小林 好子
 
 






新入りの半纏もゐて野焼かな
          
よりみちの子らの遊びや春の泥












  岡田 久男 
早々といつもの場所に福寿草
          
椿東風さざ波ゆるく立ちにけり

  岡村妃呂子





   



 

 
 
        
ものの芽に包まれてをり一茶句碑
        
歴代の雛かしこまる緋毛氈

  佐々木終吉 
 

 




   
観音とつなぐ紅糸春の昼
            
春嵐つかず離れず女傘


  佐藤さゆり







 
春障子日差しやはらか部屋の中
         
春寒や一日を部屋に籠りけり
  星野恵美子


   
         
 
 


    

 
 


 


●次回 四月十三日(水) 午後六時半 管理事務所
 兼題二句 四月馬鹿 桜一般 当期雑詠三句


日帰り吟行、雛の人形会館、一茶ゆかりの里へでかけました。
十句出し、十句選、見て、聞いて言葉に替える。春雨も名残雪も春霞、樹氷も移り行くまま無我夢中、非日常と言う俳句漬の一日でありました。(柴山つぐ子)

●早春の日帰り吟行
霙まじりの三月九日、須坂の人形館、高山村の一茶ゆかりの里へと八時出発、九時半には人形館に、三十段飾り千体と言う煌びやかなお雛さま隣接には移築された武家屋敷、寺子屋などがあり、そちらにも由緒の雛さまが飾られていました。中庭のまんさくが丁度満開となりいくすじもの雨に濡れていました。景色は春の雪に変わり昼には一茶館へ。

白梅が八分というゆかりの里、ものごしの柔らかな館長さんにご案内を頂き、温かな句会部屋も用意されていて仄々とした気持。俳句のお陰一茶のご縁も有難く、管内入り口の一茶像もほほ笑んでくれていました。

二百年余前一茶逗留の離れ家も当時のままに在り、一茶を身近に感じる事ができました。持参した昼食を頂き、十句出し、十句選の句会開始。
枯山水の庭はいつしか白一色に。お世話になった多くの皆様に感謝しつつ帰路につきました。
私にとりまして思い出深い吟行となりました。(山崎ちづ子)

           
                            (2016.3.14.つ)








2016/3/16更新





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