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2016年 第145回 北軽井沢句会 戻る




第145回 北軽井沢句会  平成28年 (2016年) 



平成二十八年五月十一日(水)午後六時半 
別荘管理事務所


兼題三句 母の日 夏場所 若葉  当期雑詠七句




photo by Udai  2016/5/5
 


生れたてのみどり溶けゐる若葉雨
         
若鮎に百選の水跳ねあがる

土まみれ匂ひまみれや筍掘る

火の山の裾野埋むる若みどり

母の日の母の言の葉吾も子に









 
柴山つぐ子 



娘も母となり母の日のカーネーション
       
青鷺の広げし羽根や羽黒谷

蟻穴を出てお百度石巡る

畑人に佐保姫の振る袖の風





  中川冬紫子
つばくらめ真田父子の蟄居跡
           
春燈や読経みなぎる高野山

吹流し紀の川色をながしけり

湖にさざ波少し若葉風




  小林 好子
天ざかる鄙去り難し朴の花
            
団欒や山女の釣果破風に洩る

麦笛や風にかにつり草そよぐ

十二単庭に咲かせて雅かな



          
  山田  礁 
茗荷竹刻むリズムに妻の癖
            
禍はあまねく背負ふと亀の鳴く

滴りのかそけき音や石だたみ

寝仏の二つ三つ見ゆ二度上峠




      

      
  岡田 久男
 わくら葉の網目模様を透かしけり
         
母の日や彼の世の人を懐かしむ






           
  岡村妃呂子 
鶯を待てど来たのは雀かな
            
お茶受けは葉ごと楽しむ桜餅

 







  黒岩  章 
母の日に届く大きなダンボール
          
対岸の雪渓映るダム湖かな


  


          
  小林 尊子
             
母の日や年に数度の子の便り
         
花いちご幼の髪の飾りかな

被り物飛びさうな風夏の畑




 


  佐藤かずえ 
老鶯の豊かに響く母の家
             
若葉風母待つ家に急ぎけり

竹の子の藪の往復一輪車

子供の日びくともしない力石






              
  佐藤さゆり 
母の日や若きその日のうす化粧
          
夏場所や時間いっぱい仁王立ち






            
  佐々木終吉 
母の日の偲ぶ遺影の色褪し
            
健やかに青葉の風や子らの声

風鈴の一つ動けば風遊ぶ

口数の少なき友と冷し酒






 
  武井 康弘 
夕暮れの山路を急ぐ親子雉
           
峠みち色どり淡し藤の花







            
  星野恵美子
ダムとなる村の廃屋渓若葉
            
聴き役となりし母の日小半日

鯉幟絡まり合うて風を待つ

折り紙の兜を子らに子供の日







  山崎ちづ子 
風色が昨日と違ふ立夏かな
            
列島を駆け抜けるかに桜かな




 
  橫沢うだい 
     

 
          
  


 

次回は六月八日(水)午後六時半 管理事務所
兼題三句 短夜 パセリ 天道虫  当期雑詠七句

兼題は「母の日」でした。どの句も血の通う、真心こめての作句。
大層に年を重ねた今になっても尚、大切に思う「お母さん」への
恋しい想いが垣間見られる幸せな句会となりました。
                     柴山つぐ子

★俳句、自分の句も連衆の句も、主宰の句も先達の句も声に出し
 て読んでみましょう、目で、耳で、口で、体中で覚えることも。

                              (16.5.14 つ)





2016/5/15     更新





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