七輪の炎の青々と夏めける
母の日の母の口癖身近とす
誰が呉れし蕗の子煮たる夜の厨
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柴山つぐ子
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母の日は招かれてをり舞踏会
新緑や稲荷の祠薄暗し
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小林 好子
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母の日や遺影の笑みの安らけし
四顧の山キャベツ村にも夏来たる
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山田 礁
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母の日や野良着の母の眼裏に
曲屋に風駆けぬける麦の秋
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岡田 久男
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春風に啼きかわしをり山羊の群れ
柿若葉小雨にぬれて光りけり
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岡村妃呂子
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倒木になお一輪の芽ぶきをり
山歩き新樹の森の木魂かな
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河上 和子
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母の日の少し派手目のプレゼント
芍薬の蕾日増しに玉になり
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小林 尊子
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母の日や遺影の歳を吾越ゆる
麦の秋一村守る道祖神
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佐々木終吉
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みどり射す千手の指の嫋かさ
夫につく小さな嘘の山遊び
兄弟の名前それぞれ幟旗
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佐藤 栄子
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筍のひと肌ほどのぬくみかな
ひとつ星つり上げてをり初夏の月
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佐藤かずえ |
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たけのこの溢れんばかり一輪車
たけのこの何度掘つても掘りきれぬ
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佐藤さゆり
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江戸前の釣り場へ急ぐ穴子舟
軽さうで動かぬままの初夏の雲
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武井 康弘
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筍の薄皮ゆるる湯気の中
初夏やむろの野菜の芯のびる
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山崎ちづ子
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昨日より千歩増やせり若葉風
春雨やまだら模様の浅間山
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横沢うだい
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