晩鐘のけふより冬の音色かな
末の子が鍋奉行なり牡丹鍋
奥までも日差し入り来る冬はじめ
飛び跳ねて生きる証の冬の虫
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柴山つぐ子
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立冬や猫も通さぬ永田町
初氷円かに朝の日を返す
星降って不景気飛ばす西の市
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小林 好子
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着古しで事足る生活冬びより
ひび割れは昨日の地震かも初氷
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山田 礁
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寄鍋や大言壮語なき酒徒と
うそ寒や薬待つ間の斜め読み
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岡田 久男
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夕暮れに稲分け持ちて十日夜
冬めきて日照雨に あたり軒を借る
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岡村妃呂子
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落葉松の黄金の流れ冬はじめ
遠き日や食卓囲みおでん鍋
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河上 和子
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初氷ふみゆく子等の通学路
吾子の来て古里訛り鍋の味
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黒岩 一郎
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寄鍋に旬の野菜の盛り沢山
錦秋や畑休みて絵筆持つ
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黒岩 茂子
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立冬や瞬時に変はる朝の雲
森陰の解けゆく土の霜柱
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小林 尊子
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寄鍋や遺伝子の顔揃へをり
街道は銀杏黄葉歴史めく
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佐々木終吉
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手首から目覚むる朝や冬来る
珈琲にみるくたっぷり今朝の冬
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佐藤かずえ
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冬うらら思ひ伝はる花セラピー
頬よせて嬰の目覚めや初時雨
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佐藤さゆり
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冬晴に黒煙の香や登窯
初氷吾先に踏む赤き頬
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武井 康弘
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止むはずの雨の一日や根深汁
明け方の空気きりりと初氷
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山崎ちづ子
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火の山も今朝は裾まで雪化粧
冬に入る峠の道の厳しけり
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横沢うだい
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