草津湯の番台守る土雛
野遊びや幾度も拝す辻仏
去ぬ白鳥湖さばさばとさざ波す
柳絮降るお桟敷山の狩場あと
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柴山つぐ子
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春の雪はたひて店の客となる
句会果てうぐいす餅のお茶処
供華と酒持ちて彼岸の父母の墓
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小林 好子
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啓蟄やまだ覚めやらぬ農耕機
菜の花と野の花交へ蛸壺へ
絹の里まどゐに繭の雛飾る
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山田 礁
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僧正の袈裟の衣擦れ春彼岸
彼岸会や喪服のひともジーパンも
麗ら日や生家残りて古民家に
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岡田 久男
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言ひ伝へ今でも守る雛納め
今年早雪囲ひ解く子等の家
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岡村妃呂子
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病み上りまた会へたねと雛飾る
陽光に待たれし一株スノードロップ
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河上 和子
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春耕の老農の顔いきいきと
雛段やカメラに猫のすまし顔
火の山も吾子の巣立を祝ふごと
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黒岩伊知朗
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奥座敷仄と日ざしのひな祭り
御見舞のぽっと明るき桃の花
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黒岩 茂子
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庭先に黄色列なすクロッカス
春満月夫の居ぬ間の広さかな
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小林 尊子
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緋毛氈うぐひす餅の幟立つ
剪定や残る枝振り咲く一輪
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佐々木終吉
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原木の春椎茸の重さかな
参道の無人販売春の雪
石段のななめななめに初桜
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佐藤かずえ
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うららかや心弾みし誕生日
晴れやかにゆとりみつける花馬酔木
チューリップにぎやか家族帰りけり
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佐藤さゆり
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雛段に飾りし母の裁縫具
ケーキ屋に行列できる雛祭
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武井 康弘
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お銚子はいづこにありや官女雛
坂道の丁度日溜りいぬふぐり
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山崎ちづ子
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名ばかりの春は幼なや日の出前
日の丸を背負ひ活躍春来る
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横沢 宇内
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