湯どころに青き光や聖樹の灯
紅少し重ねてのぞむ忘年会
観世音守人集ふ囲炉裏端
子の荷来る三崎の水仙香り満つ
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柴山つぐ子
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初雪や聞こゆや酒の仕込み唄
アナ雪の映画や街のシクラメン
神殿に柏手を打つ神の留守
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小林 好子
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ストーブにアルミ弁当並んだ日
此所だけと言いし話や返り花
燭の火に子らの笑顔やクリスマス
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佐藤 栄子
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手火鉢や祖母の日課の針仕事
猫の目も耀ふ炉辺の読み聞かせ
語り部の間を置く間にも暖炉燃ゆ
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岡田 久男
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気分よく風なく散歩冬芽見る
太陽をいつてに受けしシクラメン
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岡村妃呂子
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初雪を待ちわびて居し山の宿
焼きまんじゅう赤城の空に七日月
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黒岩伊知朗
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雪の夜のむかしがたりや父の膝
薄目あく吾子の枕辺クリスマス
主の椅子帰り待つ猫年の暮
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黒岩 清子
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初雪が何か嬉しい山育ち
着ぶくれてダルマの様な面構へ
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黒岩 茂子
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初雪や障子開きて鳥の跡
笑む友の顔に似てをりシクラメン
湯湯婆の待ちかまへたる布団中
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小林 尊子
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ストーブの南部鉄瓶ゆげ走る
廃線の朽ちし駅舎や虎落笛
病名のひとつやふたつ冬銀河
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佐々木終吉
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ストーブに種火を残す夜更けかな
長崎の島の灯やクリスマス
夕暮の近づく浅間山榾を継ぐ
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佐藤かずえ
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手を休め会話途切れず大掃除
返り花永年勤続おかげさま
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佐藤さゆり
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初雪の古里便り過去思ふ
シクラメン店先飾る飲み屋街
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武井 康弘
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樟の香の熱海の社冬びより
初雪の日差しを踏みて通学す
マツチ売り少女ゐさうなクリスマス
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山﨑ちづ子
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積読を一つ崩すや冬ごもり
踏む音のガリバー気分霜柱
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横沢 宇内
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