足跡の残る渚や日脚伸
日の盛り賑やかなりし雪解かな
蕗味噌をあんこに包みもてくれし
箸もペンもひととなりし春炬燵
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柴山つぐ子
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凍川のわづかにゆづる水のみち
草萌に塗装の舟の裏返す
学童の字はのびのびと水温む
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小林 好子
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野仏の慈悲の目差笹子鳴く
啓蟄や畑の土塊ほころびぬ
流れ行く雲を捕へて水温む
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佐藤 栄子
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走り来て並ぶ蛇口や水温む
堰水の滑らかに落つ二月尽
啓蟄の土をほぐせり一人畑
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岡田 久男
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オリオンの流れて見事星新た
うっすらと屋根につもりて春の雪
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岡村妃呂子
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湯の街や窓に大きな春の月
春浅し農道ぞいの土筆かな
陽春や時々晴間の大浅間
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黒岩伊知朗
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春昼や犬のあくびに釣られけり
母の歩の三ツ子のごとし水温む
姉まねて紅さすわらべ良寛忌
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黒岩 清子
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春昼や猫の微睡薄目あき
東風吹きて畳の上に枝ゆれり
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小林 尊子
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追儺会や並ぶ裃お護摩燃ゆ
節分会かざす帽子や福いくつ
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佐々木終吉
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啓蟄やふくらむリュックで大またに
招待状独身の子に届く春
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佐藤かずえ
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早春の支えてくれし夫の背ナ
春浅し体力勝負の子守かな
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佐藤さゆり
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水温む鯉の泳ぎも軽やかに
二度上げの浅間眺めし春の昼
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武井 康弘
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男子らの影ふみ遊び春立てり
昨日より笑み多き日や春の昼
ふつくらと土盛り上がる寒の明け
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山﨑ちづ子
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火の粉あぶ無病息災どんど焼き
日脚伸ぶ山の稜線赤々と
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横沢 宇内
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