おおぶりの雲ひとつ無し春の月
花杏咲き初むる時紅の濃し
花桃や母すこやかに笑みたまふ
初桜いつもの仲間ひとり欠く
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柴山つぐ子
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街道の隙間に春の草のびる
春祭り風に親子の髪かざり
スーパーの今日の目玉の春鰯
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小林 好子
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濡れ光る釈迦の黒肌花御堂
玩具屋の貴石の指輪四月馬鹿
芽柳や峠の路の水こだま
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佐藤 栄子
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ままごとの膳の彩り春の草
抱かれて甘茶かける児の神妙
かまど辺に炊ぐ母ゐて夕蛙
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岡田 久男
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テレビ見て諏訪湖の桜見事なり
花まつり世のみだれやう憂ひけり
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岡村妃呂子
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草萌る恩師交へて同窓会
花祭り釈迦の説いたる般若経
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黒岩伊知朗
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御釈迦様いくつにおはす花まつり
うす墨の寝仏浅間春がすみ
キャベツ植う土のほどよく湿りけり
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黒岩 清子
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土塊と共に動くや土蛙
千本の花桃の里やすらげり
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小林 尊子
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春まつり十八番料理や昼の宴
望郷の廃校めきて蛙鳴く
遠浅間堰落つ音や春の草
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佐々木終吉
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休日の窓辺の椅子の篝火草
母の笑むチューリップは桃色に
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佐藤かずえ
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春の日の黒土光る寝観音
菜の花の見頃迎へて咲き誇る
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佐藤さゆり
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夜来雨負けじと蛙声しぼる
本堂に和讃満ちたる花まつり
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山﨑 信次
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降る雨に泣き止む池の蛙かな
春雷や牡丹の蕾揺らしをり
春昼やのんびり一人又今日も
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武井 康弘
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折詰の蓋に飯つぶ木の芽時
走り来てボール蹴る子や春の草
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山﨑ちづ子
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灯籠と背たけ比べし沈丁花
夜更しの読書も止まる春の雷
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横沢 宇内
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