月見草夢二美人画偲ばるる
月の出を待ちて開くか月見草
畑のもの喜びあへる梅雨の晴
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柴山つぐ子
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天明の観音堂守る夏炉かな
月見草学習塾に人戻る
白南風や薄茶手前の干菓子選る
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中川冬紫子
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夏炉焚く前なる椅子をすすめらる
滴りの乾く隙なき岩襖
鮎茶屋の瀬音も味に座を選ぶ
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小林 好子
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利根川の鮎の仰け反り宙泳ぐ
昨夜のこと胸に留めて月見草
洗濯もの頷きおふて梅雨晴間
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佐藤 栄子
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梅漬ける三晩の夜干しこだわりつ
跡取が仕切る野外の夏炉かな
裸足の子ら.で在りし日や牛蛙
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岡田 久男
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日暮れどき草より延びし月見草
アイヌ人家族そろゐて夏炉かな
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岡村妃呂子
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糸蜻蛉羽化を待ちゐる湖畔みち
躑躅散り牝牛は牧場一人占め
梅雨晴れや空赤々と裏浅間
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黒岩伊知朗
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白百体の観音湯のみち山開き
串に刺され鮎の目の泪かな
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黒岩 清子
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故郷の北の大地や夏炉かな
露草の向かうに見へる浅間山
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小林 尊子
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渓流や宿一軒の鮎を食ぶ
ラムネ玉つけば青春溢れをり
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佐々木終吉
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梅雨晴れ間浅間の峰は光さす
久々の晴れ間に光る半夏生
砂浜の茂みにひとつ月見草
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武井 康弘
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上信道一気に走り夏の空
串に刺し炎を囲む鮎の列
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山﨑 伸次
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坂東の塩梅の佳き鮎食ぶる
遠き日の小さな嘘や月見草
荒梅雨や川ひたすらに流れ行く
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山﨑ちづ子
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青梅雨に打たれ草津の露天かな
北欧の教会めぐる白夜かな
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横沢 宇内
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