穏やかや利根川の簗訪ふ秋日和
川音の途切れなきまま通草熟る
秋の水写す羅漢の思案顔
菊の日の菊のお手前賜わりぬ
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柴山つぐ子
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鮎はねる簗の吊橋揺り返し
東屋を風吹き通す蝉時雨
赤のまま言葉選びて文封ず
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小林 好子
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吾妻川沿ひに行き着く鮎の店
鮎の顔びつくりしたまま焼かれたり
秋海棠禅寺一角色をつけ
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北川 京子
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虫しぐれ水路はさみて合戦す
いま過ぎし風は九月の風なりし
遅咲きの生き方もあり紅芙蓉
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岡田 久男
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しゆうかいどうここは川場の吉祥寺
赤りんご所狭しと道の駅
川風にあけびの柵の昼餉時 |
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黒岩伊知朗
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教則本母の匂ひや秋の風
秋の雷すがる眼の仔犬かな
仏壇の線香の灰いとど飛ぶ
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黒岩 清子
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鮎飯や坂東簗の川辺にて
吉祥寺花頭窓ごし秋海棠
菊菓子の茶の湯いただき枯山水
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小林 尊子
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穏やかな石仏座すや秋の寺
川風も馳走のひとつ下り鮎
回廊の廻る風あり秋の声
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佐藤 栄子
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警策の音響きをり寺の秋
単線の軋む枕木曼珠沙華
落日の飛び立つ影や稲雀
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佐々木終吉
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見上ぐれば上毛三山落合簗
台風の予報に案ず独酒
水澄みて川底の砂渦を巻く
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武井 康弘
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蝉時雨だんだん小さくなりにけり
今朝もまた採れたか胡瓜味噌添えて
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山﨑 伸次
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秋うらら瀬音ゆたかに魚を食ぶ
山門を抜けて入り来る鬼やんま
山門の二階の羅漢秋気澄む
秋蚊打ち仏の前を通り過ぐ
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山﨑ちづ子
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子持鮎ほうばり見上ぐ榛名山
枯山水ながめ抹茶の夕時雨
山門の十六羅漢秋の寺
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横沢 宇内
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△青文字は投句。 |
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