たらつぺと親しく呼べり野の馳走
樺の木の芽吹きの美しきバラキの地
ゆるやかにささ波寄する蝌蚪の群
病む古木余花満開を見せにけり
樹々は皆幼の色や水木の木
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柴山つぐ子
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ひと蹴りに光ほどけて水馬
乱鶯の草木揺がすビブラート
新緑の木洩れ日の山登りけり
置き去りの掬い網ある夏の湖
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佐藤 栄子
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たらの芽の生れたてらしき湖畔道
山の湖風の尖れる五月かな
うぐいすの声に始まる山の道
ゆるやかな水の流れや遅桜
真白な枝いつぱいの桷の花 |
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山﨑ちづ子
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古草抜くわが手になじむ軍手かな
二世代を泳ぎて褪せり鯉のぼり
またひとつ齢を貰ひし柿若葉
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岡田 久男
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足もとにひつそりと咲く一人しづか
風強き桜しべ落つ川沿ひに
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岡村妃呂子
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たらの芽を採りて今宵の菜となし
蝌蚪の渦眺む人の目あまたなり
貸しボート逆さに干され夏に入る
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北川 京子
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さざ波が静かにゆれる夏の湖
気持良し湖渡る初夏の風
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木下 誠司
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新緑にかこまれ朝の句会かな
浅間晴れ若葉に映ゆる山上湖
病む古木枝一杯の初夏の花
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黒岩伊知朗
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異国語の母国を憂ふキャベツ畑
筆りんどうバラキの風に揺れてをり |
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黒岩 清子
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テント張る畳二枚の夏館
キャンプ場湖水も空も夏隣
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佐々木終吉
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嬬恋のまだ風強き余花の頃
風音に声かき消され夏の湖
気づかれず筆りんどうの小径かな
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佐藤かずえ
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新緑の水面に映るダム湖かな
バラ園の手入れのとどく散歩道
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佐藤さゆり
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病む古木今年も花を咲かせたり
木立越し見ゆる白根の残り雪
白根にも浅間にもある残り雪 |
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佐藤洋一郎
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猫柳水面に映り揺らぎをり
薫風や湖のほとりに波立てり
鶯の鳴く声響く湖畔かな
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武井 康弘
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雪渓の一筋女性浅間かな
雪形の浅間に向ひ飛行機雲
源流は岩倉山辺り夏の湖
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中島みつる
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リラ冷えの尾根の尖峰白きかな
種蒔きを浅間の逆さ馬で知り
ライダーがテントを畳む山上湖
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横沢 宇内
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