郭公来ていつもの平和取り戻す
父の日のパパと呼ばるる吾が子かな
どくだみの老舗の床に飾られて
嬬恋の波郷句碑の辺夏木立
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柴山つぐ子
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十薬の匂ひまみれの靴洗ふ
短夜の自作自選のととのはず
牧場に移動雑貨屋風薫る
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中川冬紫子 |
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初夏の素人劇に応募せり
青芝の昨夜の滴光りをり
十薬の供花なき墓のしめりかな
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佐藤 栄子
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短夜や鍬すく音の聴こへをり
かけて来る子の足音や若葉風
荒れ田からどくだみの花匂ひ立つ |
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山﨑ちづ子
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十薬や祖母の急須に香のかすか
父の日や牛引く父の肩の綱
夏草ぬくどの一本も憎からず
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岡田 久男
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短夜や読みかけの本伏せしまま
十薬や好く人あれば忌む人も
母さんを仲良く待つや燕の子
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北川 京子
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短夜にワイン片手に詩を詠む
青い海サーファーたちと白い波
湘南のカモメに混じる人の群れ
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木下 誠司
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短夜やふる里出でて半世紀
手花火の幼児の瞳輝けり
テント出て朝一番の化粧かな
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黒岩伊知朗
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凶作を案ずる母や藤の咲く
父の日や仕事帰りの立ち飲み屋
どくだみや犬の鼻先匂はせて
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黒岩 清子
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登山道白くなだるる山法師
父の日やグラス傾け今は亡き
夏兆す樹齢百年時の声
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佐々木終吉
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昼の池大の字で寝る蟇
切り株の椅子の丈越す姫女苑
束ねても風吹き抜ける矢車草
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佐藤かずえ
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山吹に母の面影七七忌
アイリスの可憐さ見とれ一目惚れ
桑の実の即き落とすは懐かしき
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佐藤さゆり
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父の日にテーマいただき句会入り
青空になれない舞いのつばめたち
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山﨑 章一
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家蔭の白際立ちてどくだみ草
父の日や遺影の父をとおに越し
梅雨晴れの緑眩しき嬬恋路
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山﨑 伸次
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短夜や枕の下は父の夢
十薬や犬の散歩は運を生む
麦の秋まもなく雨に濡れにけり
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武井 康弘
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黒斑山隅まで晴れて夏の蝶
芒種はや夕景映す八ツ場ダム
早苗束投げしところや逆さ富士
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横沢 宇内
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