草の花小さきなりにも種を持つ
宿題の句に迷ひけり夜長の灯
旨さうに婆の頬ばる栗の飯
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柴山つぐ子
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奥山の奥まで晴れて梅擬
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小林 好子
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供花の如古墳廻らす秋桜
佇めば一望千里蕎麦の花
裾分けの珍しき名の茸飯
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佐藤 栄子
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山に入る道なだらかに吾亦紅
丁寧な暮らしの中の茸飯
海苔の香を一緒に包み茸飯
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山﨑ちづ子
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憂きことのふと腑に落ちし酔芙蓉
高原に吹かるコスモス絵手紙に
合掌の姿で蟷螂身じろがず
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岡田 久男
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自立とは寂しきことよ秋桜
かさかさの手に温かし栗ご飯
茸飯炊き上がる頃子等帰る
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北川 京子
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酒に酔い歌ふはいつも枯れすすき
母想う月見の宴の団子かな
栗ごはん母の想いと妻の味
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木下 誠司
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花すすき旅人の鈴遠ざかり
喪帰りや高速道に萩の雨
伝説の湯西川にて茸めし
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黒岩伊知朗
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お地蔵の見上ぐる先の熟柿かな
柚子の香の瓶詰め届く日曜日
山ほこら修験の道の山粧ふ |
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黒岩 清子
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一村を抱き込むやふな秋の虹
終活記インクの目減り蚯蚓鳴く
道祖神微笑みやさし豊の秋
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佐々木終吉
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コスモスや背後の山を引き立てる
手をかけた稲穂色づき安堵する
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白石 欽二
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山荘の激しく落つる木の実かな
けん命に木を捉まへてけらつつき
錆色のぶどう紅葉のなだれ来る
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佐藤かずえ
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コスモス畑迷路のやうに歩むか
子育ての二人三脚秋うらら
見応へのコスモス街道大賑はい
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佐藤さゆり
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かさかさと落ち葉鳴らしつ栗拾い
木の葉落ち視界広がる峠道 |
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佐藤洋一郎
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コスモスの揺れ動くとき影絵めく
無花果のたわわに実る寺の庭
秋の夜の猫が開けたる襖かな
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武井 康弘
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太き枝裂けて落ちたる野分かな
明日来る孫の笑顔や栗を剥く
虫時雨池戸行けども後を追ひ
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山﨑 伸次
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夕暮れの散歩のわきで虫の音の音が
わが畑に今年も猪が出没す
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山﨑 章一
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浅間嶺を渡る風あり蔦紅葉
秋風や山穏やかに深みゆく
旅先の雨の休日栗おこは
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横沢 宇内
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